現在、久喜市にて新築中のおうちができるまでを見学しております。
資材を家の上部に送るために丁寧に作業をしているクレーン操縦をしてくださる職人の方から、
「あの『ひろこまい』のことは、ちゃんと聞いておかなくちゃいけないよ」
と、貴重なアドバイスを受けました。
「ひろこまいって、どのような字を書くのでしょう?」
と、お聞きすると、
「それは・・・拡伸工務店の社長に聞いてみてくれ」
とのこと。
「ひろこまいっていうのは、「広い」「小さな舞」って書くんです」
垂木の軒先の上に取り付ける少し厚めの板のことで、垂木は細長い角材であるため狂いがでやすく、反って屋根面に凹凸が生じやすくなります。
広小舞はその凹凸を無くし、軒先を揃え野地板の先端の止めにもなります。
野地板などの木材の切り口は、雨水を吸収しやすいため、大雨や台風時に備えて切り口を濡れないように施工する必要があります。
水留めと呼ばれる、その役目を広小舞が果たしています。
瓦葺き屋根には広小舞は必須といわれるように、広小舞には瓦角度を調整する役目も担います。
瓦の種類によって、広小舞の厚みを足したり、広小舞の上に「淀(よど)」を取り付けて瓦の角度調整を行います。
『広小舞』という言葉は、『小舞』(屋根のてっぺんから先端の間に垂木と垂直になるように施工される下地材)をそのまま見せてしまうと見栄えが悪いと、野地板を隠すために小舞より幅の広い材を使ったことから『広小舞』と呼ばれるようになったといわれます。
なんとなく可愛らしい響きの『広小舞』をはじめ、建築用語には『鼻隠し』『破風板』『馬乗り墨』など楽しそうな言葉がたくさんあります。